時空連鎖のクロノス
またか。
教室には俺を含め六人がいる。
誰がいるかは、確認しなくてもわかる。
「はぁ…」
先生のため息が聞こえる。
俺はむしろ泣きたい。
そして俺をチラ見する先生。
さっきからずっとこんな調子だ。
さっき?さっきって?
先生は机にもたれかかり、頬杖をして一言。
「はぁ…」
そして、俺をチラ見。
「神社で鍵を探すの手伝いますよ」
先生が信じられないという顔をした。
「どうしてわかったの?その通りだけど…?」
「勘」
先生はポカンとした。
「…まぁ、いっか」
先生の声は感情がなかった。
「え…あ。」
「大切な大切な鍵だから!絶対見つけてよね!」
「え?私も?」
雪が言う。
すかさず俺は言った。
「雪、アニメを見に行くなんていわないよな?真、この島には塾はないぞ?良樹、お願いだ。手伝ってくれ。…郁奈も」
先生は皆の顔を見回し、手を大きく天に向かってビシィッとのばす。
「今日は一緒に探してくれるかな!?」
「やー…」