時空連鎖のクロノス

悲鳴が聞こえて、俺は慌てて後ろを向く。

郁奈だ。

「きゃぁあ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「郁奈っ!!ちがっ…これはっ…」

「いやっ、こないでっ、誰かっ」

郁奈は走って逃げていく。

このままでは……

このままでは、なに?

俺は神社の階段のところで郁奈を捕まえようとして手を伸ばした。

それは郁奈の肩に軽く当たって…

バランスを崩した郁奈は悲鳴もあげずに鈍い音とともに落ちていった。


「あ…あ…」


みんな、俺が…

俺が、殺し…






このままじゃ、良樹も…




意識だけを、やり直す。

時間制限付き。


やってやろうじゃないか。

こんな未来、望んでない。

『俺が皆を殺す未来なんて』






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