コイスルキモチ
「2人とも仲いいんだねー」
どこからか声が聞こえる。
あたし達2人は、その声に反応する。
「「仲良くないし!」」
見事重なる。
あたし達は睨み合い、数秒後“ふんっ”と顔を背けた。
「息ぴったりだね。2人とも同中?」
さっきの子の声が再び聞こえ、顔を向ける。
目が大きくて、髪の毛は茶髪でショート。
背が高くて足が長くて…。
モデルみたいな子。
お人形みたいな子だが、サバサバした感じだ。
「違うよ」
「全っ然違う。見ず知らずのヤツ」
「そーなんだ。あたしら2人同中なんだ」
そう言って、後ろにいる男の子と自分を指差す。
「あたしは藤谷舞桜(Fujiya Mao)。舞う桜で舞桜ね。んでこっちが…」
「狩谷春翔(Kariya Haruto)です。春に翔って書いて春翔。よろしくね」
後ろにいた男の子が前に出てくる。
同じく、背が高くて足が長い。
さっきから視線を浴びてるのは、あたし達の言い合いのせいかと思ったが、どうやら違うらしい。
目立つわ、この2人…。
あたし達も違う意味で目立ってるけどね。