コイスルキモチ
「おーい、何?」
「…ぁ……」
声をかけられ我に返る。
……何言いたかったんだっけ。
あ、思い出した!
あたしは人差し指をその人に向ける。
「あんたの鞄、あたしにあたったんだけど!」
「それが何?」
「…ちょっとは謝ろうとしろ!」
「ボーっとしてるお前が悪いんじゃねーの!」
「あてたんだから謝れ!」
「知るか!」
それから言い合いが始まった。
お互い引こうとしない。
ちなみに見ず知らずの人。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴る。
あたし達は言い合いをやめ、時計に目をやる。
「えええええええ!?時間やばい!いつの間に予鈴鳴ったの!?」
「げっ今の本鈴かよ!?」
あたし達は急いで体育館に向かう。