【中編】ビケトリシリーズ【エターナル・フレンズ】 ~出逢いと始まり~
これが俺の望んだ事だった筈だ。

母さんを恋しく思う気持ちも今はもう無くなっていた。

代わりに残ったのは空虚な心


心が痛い。母さんのいなくなった心に大きな穴が開いて血がとまらない。

巨大な不安と孤独が押し寄せてきて助けを求め手を伸ばした。

誰か助けて…苦しい。だれか…っ!

そのとき、誰かが手を掴んで俺の胸に声が響いた。


――僕は無条件に龍也を信じられるよ。だって僕らはずっと昔から友達だったんだから。

そんな事俺は信じられない。

――僕はお母さんの代わりに大切なものを手に入れるからいいんだ

大切なもの?あいつはなんて言っていたっけ?

――響だよ。それから龍也


…俺?


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