【中編】ビケトリシリーズ【エターナル・フレンズ】 ~出逢いと始まり~
「佐々木さ、俺がどうしておまえの手をこうして握っていると思う?」

「それは俺が今おまえに質問しようと思っていた事だ。何で手を握ってんだよ。」

「おまえ寝ている間に何を求めていた?たぶんそれが答えだよ。」

俺が求めていたもの?

あの時感じた手の温もりを俺はもう一度だけ信じてみようと思った。

あいつの言った生まれる前から友達だったと言うのは疑わしいが、それでもそれを信じてみたいと思っている自分がどこかにいる。

そんな事素直に認めたくも無いけれど…。

「…そういえば、高端は?」

「あいつはまだ眠っている。お前さ、3日も眠っていたんだ。」

「え!3日も?それなのに高端はまだ目覚めていないのか?」

「俺は一番最初に目覚めたんだけど、それでも丸一日眠っていたんだ。暁は簡単には目覚めないかもしれない。まるで死んだように眠っているよ。」

そう言って安原は俺のベッドの隣りへと視線を移した。

その視線の先にはまるで人形のようにピクリともせずに眠っている高端がいる。

その表情は蒼白でまるで死んでいるのではないかとゾクリと背筋が寒くなった。

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