【中編】ビケトリシリーズ【エターナル・フレンズ】 ~出逢いと始まり~
川の流れに沈む砂金粒を拾うように、あるいは大地に眠るダイヤの原石を探すように、散りばめられた小さな幸せと秘宝のように隠された大きな幸せを注意深く見つけて一つずつ確実に掴んでゆく。

幸せってそうやって積み上げてゆくものなんじゃないだろうか。

幸福の欠片を努力で集めて生きるか、見逃してただ流されて生きてゆくか。

幸せをどう感じて生きるかは、全ては僕たち次第なんだ。


だから僕はやっぱり小さな幸せを探してしまう。

ほんの些細な二人の心遣いが嬉しいと思える事

龍也が僕らの前でだけでは無愛想な顔に笑みを浮かべる事

響が僕らの前だけでは前髪を上げその綺麗な瞳を見せて微笑む事


二人が少しずつ変わっていく事が僕にとっての幸福の欠片で、一緒に過ごす時間がとても大切な宝物なんだ。


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