【中編】ビケトリシリーズ【エターナル・フレンズ】 ~出逢いと始まり~
入学式の日、俺は母さんと手を繋いで校門を出た。
「明日から龍也も一人でここまで通うのよ?
歩けるのかしら…。お母さん心配なんだけど。」
「心配しなくていいよ。俺なら大丈夫。
それより母さんのほうが心配だよ。」
「え?あたし?」
「母さん入学式でず~~~~っと泣いてただろ?」
「え?泣いてたって龍也気付いてたの?すご~~い。」
「…わかるって、そんなに目も鼻も真っ赤だったら。
シッカリしてよ。母さんがそんなんだから父さんが心配するんだぞ?」
「は~い。やっぱり龍也はシッカリしてるわねぇ。」
「まったく。あんまり父さんを心配させんなよ。
…会社サボって母さんの様子を見に来たらどうす…。あ!」
「ん?なぁに龍也。どうし…。あ!翔!!」
俺の視線の先に父さんを見つけた母さんは、パアッと微笑むと父さんへと満面の笑顔で駆け寄っていく。
まったく、仲が良いのはいいけれど、俺を引きずるのはやめてくれよ母さん。
父さんのことになると、どうしてこう周りが目に入らなくなるんだよ。
子供じゃあるまいし。
…って、俺に子供扱いされてどうするんだよ。