【中編】ビケトリシリーズ【エターナル・フレンズ】 ~出逢いと始まり~
そんなときだった。

『ねぇ?佐々木君、どうして、誰とも話さないの?』

心の奥深く、暗い闇の中で小さくうずくまっていた俺の耳に届いたその言葉が、すぐに俺の心を動かす事は無かった。

だが、そう言って笑った鮮やかな笑顔は、母さんと重なって俺に幻をつれてきた。

心の深部が乱れ、水面に波紋が広がるように、そいつの笑顔は俺の胸の奥深くに刻み込まれた。


高端 暁


その名前を意識したのは

それから1ヶ月ほどしてからだった。


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