【中編】ビケトリシリーズ【エターナル・フレンズ】 ~出逢いと始まり~
「佐々木君はすごくスポーツが出来るのに、やらないなんて勿体無いだろう?」

ニッコリ♪と満面の笑顔の中に重なるあの日の母さんの微笑が胸に痛い。

そんな気持ちを悟られたくなくて、半分やけくそで付き合ってやっているようなものだ。

俺は足だって速いし、ある程度のスポーツは人並み以上に出来る。

バスケにしてもサッカーにしても誰かにパスを回すより自分で走ったほうが速いんだ。

そんな俺についてこれるヤツなんていないと思っていた。


だけど、高端と安原は違っていた。


あいつらは俺にピッタリとついてきてパスを回してくる。

あの二人ならそのままゴールできるような場面でも、必ず俺に声を掛けパスを回してくる。

まるで心を繋ごうとするように語り掛けてくる。


それが余計に苛立ちを煽った。


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