【中編】ビケトリシリーズ【エターナル・フレンズ】 ~出逢いと始まり~
自分の声にハッとして顔を上げると高端と安原が驚いたように目を見開いて俺を見ていた。

酷い事を言ってしまったと瞬時に後悔したが一旦口に出した言葉を止められる筈もなく、気まずい雰囲気がその場を包んだ。

教室全体がシ…ンと静まり返り、俺はいたたまれなくなって教室を飛び出した。

目的もなく闇雲に走る。

罪悪感、不快感、焦燥感、それらわけのわからない感情が一気に襲い掛かってきて俺は自分をコントロールできなくなっていた。

あいつが悪い…。高端が俺に構うからだ。

俺は誰にも関わりたくないのに…。

誰にも俺の心に触れて欲しくないのに…。


走って走って行き着いたのは学校の外れの『森』の入り口だった。



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