【中編】ビケトリシリーズ【エターナル・フレンズ】 ~出逢いと始まり~
甘い香りは紅茶だったのか、それともあの女性(ひと)だったのか…。

甘い花の様な紅茶の香り。それが俺の中の唯一残る母さんの記憶なのかもしれない。

どうして俺には母さんがいないんだろう。

どうして写真の一枚も無いんだろう。

どうして父さんは母さんの話をしたがらないんだろう。


母さんが生きているのか死んでしまったのかすら俺は教えてもらっていない。


どうして誰も何も教えてくれないんだろう。

母さん…教えて?

母さんも同じ髪の色をしていた?

こんな瞳の色をしていた?

やっぱり気持ちが悪いって言われた事あったの?

母さんは俺がこんな瞳と髪の色だったから何処かへ行ってしまったのかな?




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