【中編】ビケトリシリーズ【エターナル・フレンズ】 ~出逢いと始まり~
消え行く最後の瞬間の母さんの頬を一筋の涙が伝っていた。

俺の声も伸ばした手も輝きを増した光に溶け込んで既に見えなくなっている。

身体も意識もまるで光に同化するように徐々に白くなっていった。

このまま…何もかもを忘れてしまうのか?

最後に微笑んだ母さんが桜の花のように綺麗だった事も…。

消え行く瞬間にその頬を伝った涙が真珠のように綺麗だった事も…。

最後に耳に届いた言葉が哀しいほど優しかった事も…。




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