スイーツな関係
「着くまで寝ているといい」
「……はい」


スポーツドリンクを一本飲み干した麗香は言われた通りに目を閉じた。

疲れた様子の彼女の眠る姿を見て、本当にバカなことをしたと俺は後悔していた。
カモフラージュの住まいとはいえ、エアコンまで頭が回らなかった。


夕方の一番混む前に都内に入り、車の流れはスムーズだ。

麗香のマンションに向かう途中、今晩の彼女の食事が気になりだした。


このまま自宅へ帰せば、何も食べずにいるかもしれない。
パスタもほとんど手をつけていなかったし、何か口にしないと身体によくないだろう。


俺は気を変え、店に進路を変えた。


ビルの地下駐車場に愛車を停める。


車が停まっても麗香は目を覚まさない。


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