スイーツな関係
ギュッと心臓を鷲頭掴みにされたように痛み、手が胸を抑える。

茫然と遥人と彼女を見ていた。


その時、視線を感じたのか遥人がふと私の方を見た。


「麗香」


遥人は何事もなかったかのように普通に私に笑いかける。

あんなことがあったのだから、好きでいてくれたのなら怒るはず。
自分のせいだけど、遥人の心がわからない……。

もうだめ……。


震える身体を両腕で抱えるようにして私は踵を返すと、足早に出口に向かった。


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