スイーツな関係
「やっぱり俺達はお互いのことを良く知らないな」
「明日、ちゃんと断るから今日のことは忘れて」


麗香は俺の手に手を重ねた。
伝わる体温。
この部屋は冷房が効きすぎているくらいで、麗香の体温が心地よく感じる。


「本当に俺が好き?」
「もちろんよ。今までこんなに好きになった人はいないもの」


素直に見つめる瞳に揺らぎはない。

無性に麗香が愛おしく、肩を引き寄せ抱きしめた。


「遥人……今日の人……」
「今日の人?」
「キレイな連れの女性……」


すっかり姉貴のことを話すのを忘れていた。
麗香からしてみれば、自分以外の女性に疑いたくもなるだろう。


「すっかり忘れていたよ。あれは姉貴なんだ」
「えっ? お姉さん?」


顔を上げて小首を傾げながら俺を見る。

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