スイーツな関係
完全に遅刻だった。

高ぶった熱を吐き出し、久しぶりに気分よく眠ってしまった。
隣に愛しい存在がいるせいだろう。


『遥人さん、連絡がないから心配しましたよ』
「あぁ。すまない。俺が行くまで頼む」
『もちろんです。気をつけて来てくださいね』


俺は携帯電話を消すと、まだ寝室にいる麗香の元へ戻ろうとした足が止まる。


麗香も仕事のはず。

ソファに置いてあったクラッチバッグを手にすると寝室へ行った。


「よく寝たな。久しぶりにぐっすりだったよ。麗香がいたからだね」
「遥人、時間大丈夫?」
「電話、スタッフだったよ。麗香も電話した方がいい」


シーツを身体に巻きつけ身体を起こしている麗香の膝の上にクラッチバッグが置く。


「ありがとう」


麗香はクラッチバッグのファスナーを開けて携帯電話を取り出しどこかへかける。

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