スイーツな関係
「……さよならしたくないって、思っただけ……」
「そんなに嬉しいことを言うと、どこかへ閉じ込めたくなる」
「えっ?」


俺はフッと笑う。


「……私もそう思う」


タクシーはマンションの前に停まった。


「明日、電話するよ」
「うん。遥人、仕事が終わったら気をつけて帰ってね」


タクシーから下りた麗香は見送るからと、俺を行かせた。
振り返ると窓から麗香が手を振るのが見えた。


気をつけて帰ってね。か……。


俺は肝心なことを言い忘れたことに気づいた。


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