スイーツな関係
「言ったでしょう? 好きな人がいるって」
「ああ……手料理を食べさせたい相手か」


これじゃあ、智紀さんの言っていることを肯定しているみたいだわ。


「とにかく八木社長じゃないんです」
「盛大にプロポーズされたんだろう?」
「どうしてそれを……?」


訳が分からず智紀さんの顔をポカンと見つめてしまう。


智紀さんはデスクを回って、デスクトップのパソコンを起動させた。
マウスで操作し、智紀さんは私が見やすいように脇に退く。


「?」


顔がわからないくらいの小さな写真がある。
その写真を見て「あっ!」と声を上げてしまう。


八木社長が片膝を付き、私にプロポーズしている写真だった。

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