スイーツな関係
「君は火遊びをしたいのか?」
「火遊びなんて思っていないわ。あなたと付き合いたいの」
「昨日挨拶をしたぐらいでどうしてそう思うんだ?」

どうしてそう思うんだ?
その答えはすぐに出せる。

「一目ボレだったからよ。一目見て好きになるってこと、あるでしょう?」


彼は首を数回振り、軽く失笑するように鼻で笑う。


「俺に恋人がいるとか考えないのかい?」
「……」
「お嬢様は常に自分の思い通りになると思っているんだな」


たしかに彼に恋人がいることなんて思いもしなかった。
これだけの並はずれたルックスならば恋人がいてもおかしくない。


冷たい指摘に返す言葉が見つからない。
ただ彼のスッとした鼻筋や、私好みの薄目の唇を見ているだけだった。


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