スイーツな関係
「お! うまそ」


バゲットのサンドウィッチだった。


他の箱はお店で出されるようなオードブルやチーズ、一番下の箱にはおしゃれな容器に入ったオレンジのムースゼリー。

これを持って遥人とピクニックしたい。

雲一つない空。
そよそよとそよぐ風。
ギンガムチェックの敷物。
周りには誰もいなくて、寄り添いながら――。


「すごいな」


私はその声にハッとなった。

デスクの上に広げた箱の中身を智紀さんは眺め、感嘆の溜め息を吐いている。


「あと10分でお店、閉めますよね? みんなで一緒に食べましょう」


智紀さんのお気に入りのアルバイトの彼女は帰ったけれど、奈緒さんもまだ仕事中だ。


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