スイーツな関係
大通りを外れると、真夜中のこの時間はほとんど人を見かけない。
何も考えずに出てきてしまい、少し怖さを感じながら一度通った道をたどっていく。


足をもつれさせるように歩いていた酔っ払いに、内心ビクつかせながら目を合せないように足早に過ぎ去る。


あった……。


記憶にあるデザイナーズマンションを見て肩の力が抜ける。


エントランスで、携帯電話をバッグから取りだし遥人へかけた。


もう真夜中の1時過ぎ。
寝てしまったかもしれない。


自宅マンションを出る時に電話をすればよかったと、悔やみながら呼び出し音を長く聞く覚悟をしたけれど、2コールで声が聞こえてきた。


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