スイーツな関係
微かに聞こえる物音に目を覚ました私は一瞬どこにいるのかわからなかった。


そうだ! 遥人の!


ガバッと身体を起こし、隣を見ると遥人はいない。


寝室のドアが半分ほど開いており、甘い匂いとコーヒーの香ばしい香りが漂ってきた。
どうやら遥人は起きて料理をしているよう。
たぶんその物音に目を覚ましたのだ。


ベッドから足を下ろしフローリングの床につけたところで、遥人が入って来た。


「おはよう。まだベッドから出ないで」


そう言いながらトレーを抱え込みながら近づいてくる。
呆気にとられて遥人を見ていた。


「ほら、もう少し向こうへ行って」


私は床につけた足を引き上げ、身体をずらした。


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