スイーツな関係
膝の上にトレーが置かれる。
美味しそうな匂いは、このトレーの上にのっているフレンチトーストとカフェオレ。
新鮮なサラダも添えてある。


「外国の映画みたい……美味しそう……ううん、遥人が作ってくれたんだから絶対に美味しい」
「冷蔵庫が空っぽだったから、近くまで買い出しに行ってきたよ。よく眠れた?」
「ぐっすり。ごめんなさい。朝からお買い物に行かせちゃって……」
「朝食を作ってあげたかったんだ」


遥人は端正な顔に柔らかい笑みを浮かべると、私の唇にちゅっとキスを落とす。


遥人に甘やかされて、気持ちがふわふわと浮く感覚。


「フレンチトースト、熱いうちに食べよう」


遥人はベッドの端に腰をかけ、ナイフとフォークを器用に扱い一口大に切ったフレンチトーストを私の口の中へ放り込む。


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