スイーツな関係
「シェフ、明日のランチのご相談が」


スタッフのひとりから声がかかり、俺は彼女のことを頭から追い払った。


翌日から彼女は姿を現さなくなった。

最初の日はたまには用事でもあるのだろう。と考えた。
2日目――友達と遊んでいるのだろう。
3日目――旅行に出ているのかもしれない。


不思議と彼女のことが気になる。
いや、ここの所毎日食事に来ていたからどうしたのだろうと気になるんだ。


彼女は2週間経っても姿を見せなかった。


これは彼女の作戦なのだろうか。
それとも、別の男を見つけたのだろうか。
それならそれでいい……。


そう思っても、予約の人数を確かめるフリをして予約表に彼女の名前が入っているか毎日確かめるオレ。


ふと我に返り自分に呆れかえる。


< 34 / 512 >

この作品をシェア

pagetop