スイーツな関係
彼女が来店しなくなってから1ヶ月。


気にしないようにしているのだが、まるで魔法をかけらたみたいに、いつの間にか彼女のことを考えている。


「っ!」


指先の痛みに我に返る。
久しぶりに指を包丁で軽く切った。


考えすぎだぞ。今は料理のことに集中しろ。


流水で指先を洗いながら、自分にカツを入れる。


「シェフ、大丈夫ですか?」

隣でアンティチョークをガクから1枚1枚はがしていたスタッフに声をかけられる。


「ああ、処置してくる。ここは君に任せるよ」


傷は浅いが、血がにじむ傷ついた手で料理は出来ない。
特製の手袋をはめにその場を離れた。


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