スイーツな関係
「包帯をしているじゃないですか」
「見かけほど酷くないんです。昨日、お料理中に軽い火傷をしてしまって」
「麗香さんはお料理をされるんですね。意外でした」
「えっ?」


やっぱり料理はしなさそうに見えていたらしい。


「あ、失礼しました。いや、酷いケガでなくて良かった」


コーヒーの注文を済ませた後、話が途切れてしまった。


私はバッグの中からプレゼントを出して、八木社長の目の前に置く。


「これは……」


八木社長の一重の目が大きくなる。


「あの……これは受け取れません。すみません」
「えっ? ああ……まだ開けられていなかったんですね」


八木社長はなぜだかわからないけれど、苦笑いを浮かべている。


「とにかく開けて見てもらえますか?」
「え……?」


思わず顔を顰めてしまう。


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