スイーツな関係
その時、奈緒さんの1オクターブ上げた声がした。


「もしかして、麗香さんの恋人って谷本シェフなんですか?」


話していなかったから驚くのも無理はないよね。


「そうなんです」


私は返事を返した。


「すごい! あ! あの食事っ、美味しいフレンチをご馳走様でした!」
「いいえ。喜んで下さって良かったです」


遥人は柔らかく微笑む。
まさに王子様のような雰囲気に、私の胸は高鳴っていく一方でくらくらしてきた。


「用意はいい? 行こうか」
「智紀さん、奈緒さん、あとをよろしくお願いします」


ふたりに後を頼むと先に出て、傘を広げて待っている遥人の元へ行った。

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