スイーツな関係
「お父様、遥人は夢があるの。それが叶ったら結婚するわ」
「夢?」


父が片方の眉をあげて私から遥人を見る。


「はい。土地を購入し、店をオープンさせたいんです」
「目処はたっているのか?」
「2年以内には必ず」
「そうか……」


父は私達から視線を逸らし、少し考え込むような顔つきに。


私は反対されてしまうのだろうかと不安になって、左隣に座る遥人を見た。
私に気づいた遥人は顔を向け、軽く微笑み、膝の上に置いた左手を握ってくれる。

私に弱い父なのだから、私が強く言えば頷くに違いない。


「お父――」


口を開いた途端に、左手がギュッと握られる。


「麗香は何も言わないで」
「遥人……」


そこへ静かにドアがノックされ、仲居さんを従えた伯母が入って来た。

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