スイーツな関係
その後、料理を運んできた伯母は柔らかくなった雰囲気を察し、会話に加わった。


伯母は遥人を知っており、料理について話したかったみたい。
数分話しただけで、遥人の魅力に伯母は気に入ってくれたよう。


2人が話している間、私の手の包帯の経緯を聞いた父にからかわれたりと、始終楽しい会話で盛り上がった。


遥人は父に勧められるままに日本酒をかなり飲んでいる。
父は遥人に勧めるくせに、自分はちびりちびり。
明日も仕事があるのだからあまり飲ませないでほしい。


限りなく透明に近いフグのお刺身を数枚、箸でつまみ薬味だれをつけて口に運んだ時、以前父との会話を思い出した。


『麗香、男は酒を飲ませて正体を見るんだぞ。みかけは優しそうでも、飲むと酒乱ということもあるからな』


「あ!」


思わずフグ刺しを咀嚼しながら声を上げてしまう。


「どうした? 傷が痛んだ?」


伯母と話していた遥人がすぐに顔を向けてくれる。


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