スイーツな関係
******


遥人は料亭の前まではしっかりと立ち、伯母に美味しい食事のお礼と、父に挨拶をした。


迎えの車に乗り込んだ父を見送り、私達もタクシーに乗り込む。


私のマンションの住所を運転手に告げ、シートに背をつけた途端、遥人の頭が肩にずっしりとのった。


「遥人?」
「ん……」


寄りかかる頭を押さえながら顔を覗き込むと、遥人は眠っていた。


無理もないわよね……。
どれだけ父に飲まされたのか。


私は行先を自分のマンションから遥人のマンションに変えた。


運転手に変更を告げ、隣の遥人の体温を感じながら変わりゆく窓の景色を見ていた。


これからの生活に心を弾ませながら。


< 401 / 512 >

この作品をシェア

pagetop