スイーツな関係
麗香は頬を膨らませながら詰め寄ってくる。


「亜希の前では僕って言っていたわよ」
「それが猫かぶっていることになるわけ?」


俺は麗香の華奢な腰に腕を回すと引き寄せる。


「亜希の前では表情が柔らかくなる気がするの」
「それは思い過ごしだよ」
「そうかしら」


キレイにネイルされた指で俺の鼻をつまむ。


「あ! 嫉妬してるんだ?」


鼻をつままれているせいで、変な声だ。
その声に麗香がぷっと吹き出す。


「もうっ! そんなんじゃないわ!」
「……彼女には初対面でいきなり叱られただろう? ちょっといい子にしなければって本能が働くせいかもしれない」
「……それはわかる気がするかも。根が真面目だから、曲がった事は大っ嫌いだし。あ! そうだ、遥人にプレゼント」


麗香は大きなヴィトンのバッグから包みを取り出し、俺に渡す。

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