スイーツな関係
「ええ。元気よ。最近ガールフレンドが出来て、私なんていてもいなくてもどうでもいいって感じでつまらないの。それより私がどうして日本にいるのか気になるんでしょう？」
「何かあって戻って来たんでしょう？」
「ええ。麗香ちゃん、喉が渇いたわねぇ。あ、コーヒーもらえる？」


部屋の中をざっと見廻して、目ざとくパーコレータを見つける。
私は立ち上がり、マグカップにコーヒーを入れて戻って来た。


「ブラックで良かったわよね？」
「ええ。いただくわ」


母は翡翠色と乳白色のフレンチネイルの指先で優雅にマグカップを持ち一口すする。


「で、どうして日本に？」


寛ぐ母を見て、先を促す。
私も淹れてあった冷たくなってしまったコーヒーを飲む。


「お父様と再婚するの」
「ゴホッ！　ゴホッ！……」


もう！　今日はむせてばかりなんですけど！


「あら、大丈夫？」


母は口だけで心配する。

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