スイーツな関係
ふと、テーブルの上に置かれたコンビニの袋が目に入る。
薄いコンビニの袋から見えるのはおにぎりとペットボトルだ。


私は立ち上がり、おにぎりを手にしてから乱暴に戻すと、袋ごとゴミ箱に突っ込んだ。


「まったく! 話はあとで。何か食べに行くわよ!」


亜希の腕を掴み立たせると、ドアに向かった。



ホテルを出て、新宿の繫華街に向かった。
隣を歩く亜希は顔を上げ、前を見ているものの、どこかふらふらとした緩慢な動きだ。


「何が食べたい? やっぱり和食がいい?」


亜希の気分を少しでも盛り上げようと、明るく言ってみる。


「ん……しゃぶしゃぶがいいかな」


亜希は少し先の雑居ビルの二階の窓に大きく書かれた「しゃぶしゃぶ」の文字を言ったみたい。

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