スイーツな関係
「火が強すぎたんだね」


亜希は立ち上がると、２つのお皿を持ってキッチンに行った。
ラップをして電子レンジで温め直している。


はぁ～　やっぱり私って料理下手なのね……。


テーブルに頬杖を付いて亜希が戻ってくるのを待つ。


「どうしたの？」
「こんなんじゃ遥人と結婚できないなって」
「麗香がお料理、苦手なのは谷本さん、知っているでしょう？」
「もちろん。同棲に踏み切ったのも、そんな理由だし……」
「じゃあ問題ないじゃない」
「よく考えてみて？　いつか子供が出来て幼稚園になったら、お弁当になったりするじゃない。母親が作らなくて父親が作るの？　そう言うことを考えると、また料理スクールに通おうかなって思うわけ」
「別に父親が作ってもおかしくないと思うけど？」
「早く結婚したいんだけどね……。結婚するまでに子供に恥ずかしくないくらいに料理が出来るようにならなくちゃ」


結婚しようと言われて、強がってまだ仕事を頑張りたいって言ってから何も言われなくなったのが気になる。


「一流シェフに任せておけば大丈夫だよ」


亜希の言葉に何気なく相槌を打ってから、火の通ったハンバーグを口の中へ放り込んだ。

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