スイーツな関係
「ごめん、昨日無理させたせいかもしれない。もう少し寝ていたほうがいい」
「ううん。大丈夫よ。お腹が空きすぎなのがいけないのかも」
「フレンチトーストを作るよ」


遥人は私をリビングのソファに座らせると、キッチンへ入って行く。
胃の辺りを押さえながら、対面式キッチンの中でテキパキと動く遥人を見ていた。
料理下手な私にぴったりの人だと、今さらながら思う。


一緒に暮らしてから、キッチンに立つのは遥人の方が多いのに。


バターと甘い匂いがだんだんと私のいるリビングに漂ってくる。
その匂いに再び胃が暴れ始めた。
吐きそうで再びトイレに駆け込む。


「麗香!?」


遥人の驚く声。


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