スイーツな関係
「大丈夫……」
「ちょっと待ってて。すぐに戻るから」


玄関のドアの開閉音。


薬を買いに行った? でも、まだ開いてないし……。


5.6分経ったのち、再び玄関の開閉音。
リビングのソファに戻っていた私の元へコンビニの袋を持った遥人が近づいてきた。


「?」


遥人はコンビニの袋から出したのはシンプルな甘味のクラッカーだった。


「これを食べてみて」


箱を開けて袋からクラッカーを一枚取り出すと私の手に置く。


まだ気持ち悪くて食べたくなかったけれど、遥人のよく分からない優しさにクラッカーを口に運んだ。


あ……食べられる……。


不思議と喉を通り、気持ち悪さも次第になくなっていく気がした。


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