スイーツな関係
「大丈夫よ。妊娠は病気じゃないんだから。もう吐き気もないし。ね?」
「……無理をしないで。それと重い物を持つのも厳禁だよ」


心配性な遥人に笑ってしまう。
それもさっきの小冊子の受け売りなのかも。


そんな私を見て顔を顰める。


「麗香? 俺たちの大事な赤ちゃんだよ」
「はい! 気をつけるから。そんなに心配しないで」


それからショップに着くまで、遥人は病院で小冊子を読んだ知識を話してくれた。


******


その日、遥人は顔が隠れるほどの大きな花束を持って帰って来た。
いつもより早い時間で、私も帰って来たばかりだった。


「どうしたの? こんな大きな花束」
「どうしたのって……」


遥人から深いため息が漏れる。


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