スイーツな関係
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病院へ着く頃に再び襲ってきた痛み。
その痛さに涙が出てくる。


「子宮口が1センチ開いていますね。今日中に生まれますよ」


内診後、先生が言う。


「先生、1ヶ月も早いなんて赤ちゃんは大丈夫なんですか?」


出来ることならまだお腹の中にいて欲しい。
そう願ったけれど、赤ちゃんは早く出たいようで、再び私を痛みで苦しめた。


「りきまないで呼吸で痛みを逃してくださいね。1ヶ月早くても無事に育ちますから」
「っ……は……い」


それなら早く産みたい。
この痛みがなくなるのなら、早く無事に出てきて。


こんな痛い思いをして赤ちゃんを産むなんて知らなかった。
だけど、その初期の陣痛の痛みなんてまだ痛みの序の口だった。


出産する時は意識を失うかと思ったくらいもの凄い痛みに苦しみながら、私は2225グラムの女の子を産んだ。


病院へ着いてから2時間後のことだった。


妊娠中から考えていた赤ちゃんの名前は「芽衣(めい)」


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