スイーツな関係
「お、お邪魔します……」


玄関は私の家の5分の1ほど。

ウェッジサンダルを脱ぎ、部屋の中へ足を踏み入れる。

右手にコンロが一つだけの小さなキッチン……ううん、台所と言った方がこの部屋には相応しい。


アパートのあまりの狭さに絶句する。


部屋に置かれたシングルベッドに目が行く。
小さなテレビとベッド。
テレビの間に小さなテーブル。


「狭くて驚いた?」


立ちすくむ私の後ろから遥人が声をかけてくる。
その声は至って真面目。


私の反応を確かめているの?
私が嫌がると思っている?
絶対にそんなこと言わないように心に決め、振り返り遥人を見た。


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