スイーツな関係
ベランダのない窓を開けている。

窓が開くと、むわっと暑い室内に空気が流れ込む。

それでもこの部屋が暑いことには変わりない。

壁をぐるっと見渡すと、エアコンらしきものはない。

遥人は台所の小さな冷蔵庫から2リットルのお茶のペットボトルを取り出しコップに注ぐと目の前の小さなテーブルに運んできた。


それから畳の上に座り、私を見る。


「そんなに金があるように見えた?」

「……」

見えていますとも。

大企業の御曹司に見えるくらいに品が良い顔立ちだし。

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