スイーツな関係
「青山のビルの借料がどれほど高いか知らないだろう? いくら人気があるレストランでも、スタッフの給料を払ったらオレの給料なんて微々たるものなんだよ」

「……でも、車は高級車で……」

「それくらいは見栄を張らないとね。テレビにも出始めたし、おかげで貯金が底をついたよ」

「高い車を買わなくても……」

「青山に軽自動車の中古車なんて乗っていける? それに通勤も距離があるから快適さを求めたんだ。オレに幻滅しただろう?」


ずばりそう聞かれて、本当にそう思っても頷けない。
たしかにショックは受けたけれど、その若さで仕事を成功させている彼は尊敬すべき人だ。


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