スイーツな関係
「一生懸命働く遥人はすごいと思います」

「本当にそう思う? 今の俺は麗香よりも金がないんだよ? なにもしてやれない。それでもセフレになりたい?」

「私はお金目当てで遥人を好きになったんじゃありません」

「好き? ほとんど話をしていないのにどうして俺が好きなの?」


遥人はバカにしたように鼻で笑う。


「ショックを受けなかったわけじゃありません。私の考えていた遥人とは違うけれど……」

「考え直すなら今のうちだよ?」


遥人は立ち上がると、私の隣に腰掛けた。


パイプのシングルベッドがきしむ音をたてる。

「一目ボレなんです。テレビで遥人を見た瞬間から……」

「ふふっ、そんな告白していいの? これからすぐにでも麗香を食べちゃうかもしれないよ?」


シェフよりもピアニストと言った方が合いそうな繊細な指が、私の鎖骨をスッと撫でる。


敏感な鎖骨を撫でられ背筋がゾワッとあわ立つ。


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