スイーツな関係
「遥人……」


無意識に遥人の呼び方が吐息交じりになっていた。


「どんな遥人でもいいの……」

「麗香……」


キスして欲しくて、遥人を見つめるとそっと目を閉じた。
男女の駆け引きなんて知らない私がやっと出来る誘い。
目を閉じたけれど、いつまで経っても遥人の唇の感触がない。


「麗香。やっぱりここではセックスは出来ない」

「えっ?」


パチッと目を開けて遥人を見る。


「エアコンが無い部屋で窓を閉めてセックスしたら、熱中症にかかるよ」

「熱中症……」

「それとも麗香は誰かに聞かせながらしたい方なの?」

「え?」


遥人の言っていることがよく飲み込めない。


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