スイーツな関係
上半身を起こそうとすると、がっしりした腕に引き戻される。


「遥人っ!」

「動かないでよ」


眠りは浅かったようだ。

今度はもっと密接に腕枕をされてしまう。


「遥人、腕枕はいいよ。あせもが出来ちゃう」

「ん……」


再び眠りに入ったようで、恐らく聞こえていない返事。


「遥人……?」


名前を呼んでみたけれど、微動だせずに眠ってしまっていた。


目の前に遥人の整った顔がある。
この際、じっくり遥人の顔を拝もう。

柔らかいブラウンの髪。ふんわり跳ねた髪に触れたい……。


起こしてしまうことを考えたら、動けなかった。

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