スイーツな関係
それからの彼女は黙り込んでしまった。


トマトソースパスタが出来上がり、小さなテーブルで食べている間も会話がなかった。


彼女に俺を諦めさせる計画。

今日1日で彼女が諦めてくれたのなら、もう2度とこのボロアパートに来なくて済む。


「食べたら送って行くよ」
「……はい」


彼女の皿の中身がほとんど減っていない。
この暑さに食欲がないのだろうか。


麗香はバッグからハンカチを取り出して額を拭いている。
その手が小刻みに震えている気がした。


まさか?


彼女の今の状態を考えた時、俺の心臓が跳ねた。


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