君の為に放つボール


人が変わったように、一生懸命リハビリに取り組むようになったあたし。

親も、担当医も、看護婦さんもトレーナーさんも、みんな驚いていた。


夢ができた。


"車椅子バスケットボールの選手になること。"


上半身が動けばできる。

あたしももう一度、バスケができる。

足を治すと同時に、腕力を上げるトレーニングも始めた。

車椅子でバスケするなら、ジャンプできない分シュートやパスをする時に腕に力がかかるから。

「・・・ぐっ、っっ・・・!」

どんなに痛くても苦しくても、絶対に諦めなかった。

今度こそ、夢を叶えたい・・・



この夢を持たせてくれたのは・・・

「お疲れさん。」

「ありがと。」

リハビリルームの前でにっこり笑う蓮也だから。


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