君の為に放つボール
「名前、なんて言うん?」
「あ、凛です。」
「凛かぁ、えぇ名前やな。オレ蓮也。」
「蓮也・・・さんですか。」
「さん付けとかせんでえぇねん。どうせ一つか二つしか違わんに。」
「あぁ、はい。」
「敬語もいらへんから!オレ大抵この時間にここおるで、また話しかけてな!」
「・・・うん。」
最初の会話はこんな感じだった気がする。
初めはあたしより蓮也のほうが元気だったよね。
頭にニットかぶってたから、なにかしらこの人も病気なんだなって思った。
でもあたしは、自分の足で歩ける蓮也を、ものすごく羨ましく思った。