泣きたくなるような声





朝から寝坊した。
そして飛び起きて走った。


時計はぎりぎりだったのに、今日に限って先生は早く講義室にいて





「君、残念」




と無慈悲な声を発した。



時間ぎりぎりじゃないか、と抗議したかったが、そういうものは無意味だということを知っている。


この先生は時間などには厳しい。当たり前なのだが、今日はどうやら運が悪かったのだ。いつもなら、少しくらいなら見逃してくれるのに。

きっと私の次に入ってきた数名の人たちによって、私は見逃すのは難しくなったのだろう。





友人の苦笑をよそにプリントをもらうと、印刷か薄い。

なにこれ、もう講義受けるなっていうのか?と泣きたくなる。本当に。







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