好きなんて言ってあげない。





『てか珠奈ちゃんって噂通り超かわいんだね!』




耳にピアスをたくさんつけた男の子が興奮したように言う。




髪の毛が金に近い茶髪の彼は、一般的にチャラいとか言われるタイプなのかな。




とりあえず、いきなり名前呼びなのは気にくわない。




断固無視を貫くことを決めた。




『てか、マジかわいいじゃん、ヤバいって!超タイプ!超スキ!』




無視してても1人で喋っている彼は、何者なのか気になる。




明らかにドン引きしていると新が後ろからあたしの両肩に手を置いてきた。




それにビクッと反応していると耳元で声が響く。




『可愛いのは当たりだけどね。スキはダメだよ健くん』




おどけたように話す新。




なんとなく怒っているような感じがするのは気のせいだろうか。




「新…?」




恐る恐る振り向くと、ニッコリと笑っている彼がいた。




なんかコワい。




やっぱりなんか怒っている。




「なんか…、ごめんね?」




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